・この記事は丁寧なリサーチと筆者の体験・経験に基づき執筆しています。 ・記事の一部にプロモーションを含みます。
みなさん、こんにちは。
つい先日、知人宅でスピーカーケーブルを交換してきたsugi-sugu(スギスグ)です。
みなさんはスピーカーとアンプを接続するいわゆる「ケーブル」を交換したことはありますか?
オーディオに携わっていると「スピーカーケーブルを交換すると音がよくなる!」なんて話はよく耳にしますが、実際のところ本当かどうかは気になるところですね。
この記事ではスピーカーケーブルに関する次のことを確認することができます。
“スピーカーケーブルについて知りたい方”・“スピーカーケーブルの音の違いや選び方を知りたい方”・“おすすめのスピーカーケーブルをチェックしたい方”などに役立つ内容を15年間以上ダラダラと趣味のオーディオを続けているsugi-suguがご紹介します。
ケーブル交換でオーディオシステムの音質変化や向上を楽しみましょう!
目次
スピーカーケーブルってなに?
スピーカーケーブルとは、スピーカーを使って音楽を再生するときに、音の出口である“スピーカー”と音の増幅器である“アンプ”を接続するケーブルのことです。
下図の矢印の部分がスピーカーケーブルです。
多くの場合、購入するスピーカーに付属していたり、ホームセンターなどで100円/1mくらいで購入することもできます。
わざわざ高いお金を払ってスピーカーケーブルを交換しなくても、スピーカーで音楽は聴けるんです。
では、なぜスピーカーケーブルを交換するのかといえば…
“今よりも音を向上させたい”や“音の変化を楽しみたい”などの理由があるからです。
スピーカーケーブルを換えると音は良くなる?
実際にスピーカーケーブルを交換すると音は良くなるのでしょうか?
結論としては『音が変化すると言われている』が答えです。
この言葉には古くからオーディオ界隈に論争を巻き起こしてきた問題があり、現在も決着はついていません。
この問題を要約すると…
理論上ケーブルを交換することで確かに電気信号に変化はあるものの、人間が感じとれるレベルのものかどうかで賛否がある。
つまり、スピーカーケーブルを交換すると音の変化を感じる人もいれば感じない人もいる。
これはケーブルを含むオーディオアクセサリーの効果を考える上で重要なことなので、頭の片隅においてください。
スピーカーケーブルなどオーディオアクセサリーの効果について詳しい記事はコチラをどうぞ。
私はスピーカーケーブルで音の変化を感じるつもり派で、ケーブル類は白が好き派です。
プラシーボも含めてオーディオの楽しみの一つと思っています。
個人的には、オーディオケーブルという比較的大きな市場が確立していることから音の変化を感じている人は多いものの、行き過ぎた高額ケーブルなどにより、実態以上や以下の思い込みも多く生みだしてしまっているのではないかと考えています。(sugi-suguのケーブル試験結果)
趣味のオーディオなので、試しに交換してみるのも一興ですね。
スピーカーケーブル構造の違い
スピーカーケーブルは構造の違いで音に影響があると言われています。
主な構造の違いは 平行・ツイスト・スターガット の3つ。(画像)
●平行型
+と-の線が平行に並んでいる最も一般的な構造です。
製造しやすく価格も他の構造と比べると安価になりやすい構造です。比較的取り回しも容易で誰でも使用しやすい構造になっています。
●ツイスト型
+と-の線をねじり合わせた構造です。
線をねじり合わせることで相互の電気的な干渉を中和させる構造になっています。加えて外からのノイズにも比較的強いとされるケーブル構造です。
●スターガット型
被膜の中に+と-の線を2本ずつ配置した構造です。
ツイスト型よりも電気的な干渉を中和でき、余計なノイズが非常に少ない構造と言われています。
価格は内部の線が倍になるので高めですが、シングルワイヤリングでもバイワイヤリングでもワンセットで対応できます。
このように構造の違いは、各社のノイズへの取り組み、そして音質への取り組みです。
代表的なケーブルの素材と音質傾向
次のケーブルの素材について確認していきましょう。
ケーブルの素材は実際に電気信号が流れる部分でもあり、ケーブルの中核となります。
銅線
スピーカーケーブルだけでなく、あらゆるケーブルで最も多く使用される一般的な素材が銅です。
価格と性能のバランスが優れ、電気信号を送る配線には、ほぼ銅が使用されていると考えて間違いありません。
銅の中でも、スピーカーケーブルに使用される代表的なものは次の通りです。
●TFC(タフピッチ銅)
純度は99.5%程度で一般的な配線に最も多く使用されている銅。
●OFC(無酸素銅)
純度は約99.995%で、酸素などの不純物が非常に少ない銅。
オーディオなどの信号伝達が重要な場面で広く使用されている素材。
●LC-OFC(線形結晶無酸素銅)
OFCの結晶の一つひとつを広くし、結晶同士の境界で生じる抵抗を極めて少なくした銅。
余計な抵抗を少なくすることで安定的な信号伝達に寄与する。解像度などに影響。
●PC-OCC(単結晶状高純度無酸素銅)
純度は約99.996%。理論上、結晶の境界をなくして境界で生じる抵抗をなくした銅。
素材の結晶による抵抗はなく解像度の向上などに影響。
●6N-OFC/7N-OFC
6N-OFCは純度99.9999%、7N-OFCは純度99.99999%と限りなく純度を高くした銅。
純度をあげることで解像度などの基本的な性能が向上し、かつ落ち着きのある音を表現。
現在の最高純度は8N。
シルバー線
シルバー素材は抵抗値などが銅よりも低く、実は信号伝達において銅をしのぐ優秀さを誇ります。
そんなシルバーが常用されない理由は、高価であることに尽きるでしょう。
腐食の速度も銅より早く、加工やメンテナンスにおいても一層気遣いが必要な素材です。
一般的には美しい高音が特徴と言われています。
ハイブリッド
各素材の長所と短所をハイブリッド構造にすることで“良いとこどり”してしまいます。
例えば、OFCに銀や錫でメッキを施すなど、純度や素材の違う導線を組み合わせることでそれぞれの特徴を活かし、弱点を補うような考え方です。
価格面でもバランスの取れたケーブルが多いのも特徴です。
スピーカーケーブルを交換するときの注意点
構造や素材の違いを確認した後は、実際に交換するときにチェックしておきたい“注意点”を説明します。
3つのポイントに分けてチェックしていきましょう。
※切り売りケーブルなら加工の際にけがをしないよう注意しましょう。
接続するスピーカーの端子をチェックしよう
接続するスピーカーの端子を確認しておきましょう。
Yラグやバナナプラグ付属のケーブルを購入したが端子が対応していない…。接続端子が小さくて太めのケーブルが接続できない…。
そんなことがないように接続端子は購入前にきちんと確認する必要があります。
左右は同じ長さ、同じものでそろえる
基本的にケーブルの長さは左右でそろえましょう。
理由は左右の信号の伝達に差異が生じるからです。電気の速度が光の速度に近いとはいえ、長いほど到着するまでの時間はかかるし、抵抗値や送電ロスもわずかながら発生します。
合わせるに越したことはないということです。右が2mなら左も2m、これが基本です。
また、ケーブルは左右ともに同じものでそろえましょう。
そもそもの電気信号に情報の内容は違えど左右ともに同じ速度、同じ性質をもった信号がスピーカーに流れるわけです。
ここであえて違うケーブルを使用すれば、信号到達や質の差異が出てしまうことになります。
長さにしてもケーブルそのものにしても、余計な差異は作らないことが良い音質のポイントです。
ケーブル同士が平行にならないよう注意
これは写真を見て頂いた方が早そうです。
写真のように高音用のケーブルと低音用のケーブルをなるべく離し、近付く部分(写真右)はケーブルが平行にならないようにクロスさせています。
ケーブル同士の接触をなるべく避けて干渉による電気ノイズの発生を極力抑える方法として有効です。
スピーカーケーブルだけでなく全てのケーブルで同じ効果が期待できます。(電源ケーブルが最も顕著)
セッティングの方法も購入前に考えてみてください。
失敗しないスピーカーケーブルの選び方
ケーブルを交換する上で、失敗しないケーブル選びは重要です。
最大のポイントはの“交換の目的を明確にすること”
どんな目的でケーブルを交換するのかによってどんなケーブルを選べばよいかは違ってきます。
「何となく交換した方がよさそうだから…」では、なかなか自分に合ったケーブルに出会うことはできません。
ここでは3つの目的に分けて選び方を見ていきましょう。
※ケーブルで音の変化を感じられる人とそうでない人がいることをご了承ください。
とにかく音の変化を楽しみたい
ケーブル交換でとにかく音の変化を楽しみたい!という目的のためには、音質傾向が対照的なスピーカーケーブルを2セット準備します。
高いケーブルを購入する必要はありません。
分かりやすいのは低音よりと言われるケーブルと、高音よりと言われるケーブルの交換です。
太めのOFCケーブル(低音より)と細めの銀メッキケーブル(高音より)などの比較はオモシロい結果になるかもしれません!
部分的に強化したい音がある
低音を強化したい場合や、解像度を向上させたい場合などの目的に応じた特徴を持つケーブルを選びましょう。
それぞれのスピーカーケーブルの特徴を知るためには、いくつかのケーブル紹介記事などで確認します。
ポイントはネット上の一つの記事だけで判断せず、複数の紹介記事をチェックすることです。
記事の中には主観的な意見や利害関係の強い内容もあるので、いくつかの記事の点と点がつながる部分や共通で語られている特徴をチェックすることをおすすめします。
もちろんこの記事も主観を含むので例外ではありませんよ!
音の傾向に不満はないけど音質のグレードを上げたい
音質のグレードアップのためにスピーカーケーブルを交換することが必ずしも有効な手段になるとは言えません。
なぜなら、ケーブル交換が根本的な音質を変えるものではないからです。
音の傾向に不満はないけど解像度を向上させたい!などの音質の基本的なグレードアップをねらう場合、ケーブル交換で大きな違いを出すためには工夫が必要です
このような場合に同じ素材や同じモデルの上位モデルを試してみるのがおすすめです。
ポイントは「思い切って」2ランク上位のモデルを購入すること。
例えば、TFC素材のケーブルを使用しているのならPC-OCC素材のものに変える。
同じブランドの同じシリーズで2ランク上位モデルに交換する。
理由は、音質の違いがより明確に確認できる可能性が高いからです。
交換におすすめ!厳選ケーブル7選
ここからはおすすめの厳選ケーブルのご紹介です。
すべて私が使用したことのあるメーカーやブランド、シリーズのケーブルを紹介しています。
各ケーブルのコンセプト、相対的な評価や主観によるレビューなどを織り交ぜて紹介しているので、ケーブルの特徴が感じやすいような内容になっています。
なお、ラーメンの好みと同じように、ケーブルも好き嫌いや評価基準は人それぞれ違うことを前提にケーブル選びの参考としてチェックしてください。
国内メーカー
国内メーカーの特徴は高い信頼。
設計から生産まで純国産のものも多く、厳選された素材や工程からなる“堅実なモノづくりによる信頼”は確かな音を求めるユーザーの安心を担保します。
AET EVO-F200
良い音・美しいデザイン・高品質をブランドの骨子として掲げるAETはすべてのクラスの製品において生産から加工までを純国産にこだわり、職人による丁寧なモノづくりを行うメーカーです。
導線の素材にはPVC導体 (プレミアムバージン無酸素銅)というAET独自の不純物が極めて少ない高純度な導体が使用されています。
不純物が少なければ情報伝達もスムーズになり音楽を乗せた信号が正確に伝達することは言うまでもありません。
EVO-F200は音楽の躍動感を伝える芯のあるAETの良さを比較的リーズナブルな価格で楽しむことができます。
オヤイデ電気 ACROSS 3000
昭和27年の創業当時から確かに積み重ねられた歴史は、スピーカーケーブルへの信頼をゆるぎないものにしてくれます。
伝説の導体「PCOCC-A」の生産終了にともない、オヤイデ電気により独自に開発された導体“102 SSC”は正確無比な情報伝達を可能にし定位や解像度などにとどまらず、空気感や温度感までもスピーカーに届けてくれるでしょう。
また、正確に導体をカバーする“C.I.Sストラクチャー”は十字絶縁構造により大切な音楽情報をノイズから保護してくれ、音楽を聴く楽しみを一層高めてくれます。
Zonotone 6NSP-Granster 2200α
オーディオケーブルの雄として高額なものからリーズナブルなものまで幅広い良品を送りだすZonotoneの代名詞はハイブリッド。
導体を絶妙なバランスで融合させ、数値だけにこだわらず音楽的な表現を大切にした音づくりが特徴です。
6NSP-Granster 2200αは超高純度6NCu・高機能純銅線HiFC・高純度無酸素銅線PCUHD・高純度無酸素銅OFCの4種の導体を使用したハイブリッドケーブル。
音源に含まれる高音から低音までの解像度と音場表現の情報を見事に再生し、中低音からなる躍動感や清涼感のある高音が聴く楽しさを向上させてくれるでしょう。
海外メーカー
海外メーカーの特徴は豊かな個性です。
各社がしのぎを削るケーブル業界において、独自の技術が感性と融合することで生まれる“きらりと光る個性”はユーザーが求める音楽的な要素をシステムに添えてくれます。
BELDEN 9497
BELDENはスタジオモニターとしてプロにも愛用されるメーカーです。
「ウミヘビ」の相性で知られるケーブル“9497”はツイスト構造によりノイズを打ち消しあい、電気信号に詰め込まれた音楽情報のありのままをスピーカーに伝えてくれます。
特徴がないという最大の特徴がレコーディングスタジオなどのシビアな現場でも信頼されるスピーカーケーブルです。
QED SILVER ANNIVERSARY-XT
QEDは設計から生産までを科学的根拠に基づき製作する英国のケーブル専門メーカーです。
SILVER ANNIVERSARY-XTは5N-OFCに銀をまとう導体により、正確な情報伝達を基礎とする美しい高音の表現が魅力です。
また、導線の周りを中空チューブと編線で覆う堅牢な「X-TUBE」がノイズの排除に貢献します。
ピアノやヴァイオリンなどの倍音までもが心地よく響き渡る繊細な音はこのスピーカーケーブルならではの表現。
理論値を満たす適正な音楽情報にさらりと添えられた閃きがスピーカーの奏でる音を演奏に換えてくれます。
SUPRA CLASSIC6.0
SUPRAのシェアはヨーロッパ最大を誇り、巧みな音楽表現で多くのファンを魅了します。
CLASSIC6.0は0.1㎜の高純度銅線を756本も束ね導体抵抗を低くし、信号伝達の精確性を高い水準で維持します。
最大の特徴はなんといっても錫メッキ。
純度の高い銅線に錫をコーディングを施したケーブルは高音から低音までバランスの取れた再生音に、どこか温かみのある親しみやすい表現を感じることができます。
Wireworld Luna 8
Wireworldは“ノンカラーレーション”を掲げるアメリカのケーブルメーカーで「機器の能力を最大限引き出す」ことを目的としたケーブルに定評があります。
Luna 8には同社スピーカーケーブルの特徴であるDNA Helix Designは、らせん状に連なるフラット線が過電流抵抗を抑制しありのままの信号をスピーカーに伝送します。
ロスや妨害の音楽情報からは本来スピーカーが再生すべき音のコントラストを如実に描き出してくれるケーブルです。
楽しむことを忘れずに…(まとめ)
ここまでアンプとスピーカーを繋ぐスピーカーケーブルについてチェックしてきました。
この記事で確認してきたことは次の通りです。
大好きな音楽を少しでもいい音で楽しみたい!
そう思うことは音楽をこよなく愛する人にとって共通の思いなのかもしれません。
スピーカーケーブルはそんな思いにスパイスを加えてくれるオーディオアイテムとなるでしょう。
音が変わる楽しみ・音がよくなる楽しみ・音に感動する楽しみ
楽しみを増やしていくことはオーディオの醍醐味のひとつといえます。
そのためには好きな音、好きなデザイン、好きな環境を集めてあなただけのおうち空間をつくってみてくださいね。